年齢を重ねて生きていくということは

 秋が少しずつ忍び寄ってくる。

 当たり前に、時は来て、重なる前に、過ぎ去って行く。どんどんどんどんと。時は待ってくれない。止まってはくれない。

 私たちは生まれた瞬間から、死に向かって、時と共に過ごして行く。

その証拠に、人の名前が全然思い出せないことが多くなる。覚えていたはずの語彙も出なくなり漢字も書けなくなっていく。

 認知症になったらどうしよう?と思うようになる。すでに少しはなりかけているのかもしれないとも思う。診断自体が怖い。よっぽどにならない限り、病院には行かない。いや、よっぽどになる前に行かなきゃならないのかも。

 肌の衰えにあらがうことも出来ない。適当に化粧水とか美容液とかクリームとかを塗っている。

 でも、今日の自分は残りの人生で一番若い日だ。

いつだって今日という日はそうだ。

少女のようには夢を見れなくなる年齢の私と、少女のように夢を見たっていいよと言える年齢の私、が居る。