私の日々

 双極性障害という精神疾患を抱えて生きている私。

退院してからも辛い日々が待っていた。自分に合った薬に出会うまで、極鬱の日々があった。

 気持ちが沈み込んでいて、自分がそれを支えるのがとても重かった。

 例えば、洗面所で歯を磨くのが辛かった。自己肯定感が無いから、鏡の中の自分を見ることができない。鏡を見ないようにして歯を磨く日々・・・

 それ程の鬱の世界にいた私だが、現在は、自分に合った薬に出会えてまずまずの日々を送れている。数ある薬の中で自分に合った薬の処方に出合うまで、結構長い年月を要するのだ。こんな病気になった自分をも呪う日々・・

 今、自分の気持ちは落ち着いている。まずまずの気持ちを維持できていることに感謝の気持ちを抱いている。病院の先生に、受付をして下さる女性たちに、薬を処方してくださる薬剤師の方々に、医学の進歩に寄与してくださる研究者たちに、病院にとても感謝している。

 先日、久しぶりに、外を歩いた。コロナの自粛要請のため、出来るだけ外出を控えていた。十日間、ゴミ出し以外外出していなかった。コロナ以前もそれほど外出する方ではなかったのだが、食料や日用品を買うために、週に二三日は出掛けていた筈だ。

 外に出たら、其処に歩ける私がいた。私には足があるから、こんなにもすいすいと歩けるのだと思った。何か、自分が、私を乗せた乗り物になった気分になった。初めての感覚である。

 歩けることの不思議、そして奇跡。そのことへの感謝の気持ち。