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治っていなかった。
心身の具合の悪さが亦襲ってきた。買い物に出かけると、パニック発作が襲ってくるようになった。
精神科通いをストップしたつもりが亦通うしかなかった。抗不安薬の断薬を唱えていた医師にかかるしかなかった。抗うつ薬だけを処方してもらった。
院長でもあるその医師はクリニックをたった一年で辞めることになり、新しい医師が院長としてやって来て、「あなたは、今一番治したいと思っていることは何ですか?」と質問され、私は一言も答えることができなかった。「次回お話を聞きましょう。」と言われた。此処はだめだと思った。(もしかしたらこの先生でよかったのかもしれないが)
別のクリニックを一生懸命ネットで探した。考えられない頭で何とか考えて、このクリニックの前のクリニックに電話をしたら,予約がいっぱいですぐには受診できないと言われた。
それで、こわごわと、遠過ぎて諦めていた、理想とするクリニックを選んだ。交通機関をいくつもいくつも乗り換えて やっと通った。
通っているうちに、なんか元気になったような気がした。 いろいろな人に電話を掛けたり手紙を書いたり、注意がいろんな方向に向かった。離婚もしようと思っていた。家人とのいさかいで警察も呼んだ。攻撃的になっていた。あまりにもすごいと思ったらしく、家人もクリニックに一緒に行くことになった。 看護師に注射を打たれて、帰り道はそれはそれは具合が悪くなった。
その次の診察日に、私は「病名は何ですか?」と尋ねた。
「躁鬱病ですよ。治りませんよ。今度は近くの病院に行ったらどうですか?ご主人に探してもらって。」と女医に言われた。病名を聞いて私は納得した。 躁転だった。
自己嫌悪から私はものを食べなくなった。食べれなくなった。体重は三十七キロになった。不安、妄想。食事が作れない、お風呂に入れない、夢と現の境がわからないという状態に陥った。
家人が命の危険を察知し入院させてくれた。