育てること

 観葉植物が好きなので、家には数鉢ある。

 ウンベラータの枝が三方向に葉をつけて大きな様に成長していたのだが、どうにもバランスが悪いので一つの枝を切り落としてみた。

 その後、その切った枝の部分の近くに小さな芽がいくつか現れ、葉っぱを見せて、枝となって行った。葉も大きくなって行く。其処は二枝となった。

 そして別の方向に伸びていた、葉も大きく豊かな枝も、切り落して見た。切られて残った枝の周辺に新しい芽の兆しが表れるまでも数日以上を要する。

兆しの其処を、今か今かと毎日触ったりしながら待つ。確かな芽ととれるものを確認したのがここ何日か前である。

 嬉しい。また葉をたたえた枝が幾つか表れるのだ。  

 成長するものを見るのは、幸せなことだと思う。それは植物に限ったことではない。

 先日、おむつをつけている男の子が家を訪れた。来るたびに成長しているのが感じ取れる。遊んでいるうちに、相手をしているうちに、楽しさがピークに達する時があり、私の広げた腕の中に力強く入ってきてくれる瞬間が幾度かある。二人抱き合うのである。  

 ああ、なんて楽しいんだろうか!意気投合することの幸せ!男の子と私のふたり、共に喜び合う幸せがある。  

確かな幸せ。私はその男の子から確かな幸せを貰えている