大きなおはぎ

 スーパーに出かけた。おはぎが食べたくて。もち米はあるので、材料のあんこを買いに。あんこがお店になかったら、できているおはぎでもと出かけた。

 それも、昔、母親が作ってくれた大きなおはぎのようなおはぎが食べたくて出かけた。

 料理が上手な母だった。サツマイモのてんぷらを、揚げたてを食べさせてくれた。

コロッケも、大きくておいしかった。

 でも、その母は 私のことを好きじゃなかったみたい。<あんたは、言うことを聞かない、口答えをする、素直さがない>という理由で疎まれた。

 自分が年を重ねていくごとに母に見た目が似てくるのが嫌だ。

子育ての仕方を知らなかった母。そのままの私を受け入れて寄り添ってほしかった。

子供が、親から愛されていると実感できる子育てをしてくれる母だったらよかった。

自己肯定感の持てる人間でありたかった。

 粒あんが売っていた。大きなおはぎを作って食べた。